悲しみの秘義、著 若松英輔を読みました。
この本は同じ道場仲間のMさんから紹介して頂いた本です。(Mさんはyoshiさんからのご紹介です)
エッセイ集なのですが、本の中の言葉が、まるで音楽のように綺麗な音を出しているかのごとく、美しい言葉でスルスルと心に染みわたります。
そして時に力強くもあり、旋律のように響いてきたりと、言葉というものがこれ程までに美しく、立体感があるとは思いませんでした。
一節を紹介しますと。
私たちは知っている。秘めた決意には人生を根底から変える力が宿っている。
こうした想いを抱くことを人は、「覚悟」と呼んできた。
見えないから不確かなのではない。見えないからこそ、いっそう確かなのだ。
勇気を出す、勇気を振り絞るという。こうした表現は、勇気とは誰かに与えられるものではなく、すでに万人の心中に宿っている事実を暗示している。
人生の意味は、生きてみなければ分からない。素朴なことだが、私たちはしばしば、このことを忘れ、頭だけで考え、ときに絶望してはいないだろうか。
これらの言葉には真理があり、表現も美しく惹きつけられ、説得力を生んでいます。
もっと言葉を知ろう。
もっと伝わる言葉を学びたい。
そう思い起こさせる本でした。
Mさん、センスの良い本をご紹介して下さり、ありがとうございます。
渡邊さん 気に入っていただけてよかった ^ ^ Yoshiさんに感謝です。渡邊さんが紹介くださっている件だけでも心がむんずと掴まれます。今日、若松氏による100分de名著「善の研究〜西田幾多郎」が始まります。ブラウン管を通して若松さんの「言葉」に触れてみようと思っています。